【中古】 機動戦士ガンダム第08MS小隊U．C．0079＋α 2 / 飯田 馬之介 / 角川書店 [コミック]【宅配便出荷】

【中古】 機動戦士ガンダム第08MS小隊U.C.0079＋α 2 / 飯田 馬之介 / 角川書店 [コミック]【宅配便出荷】 レビュー

先日、中古で入手した機動戦士ガンダム第08MS小隊U.C.0079＋α 2（飯田 馬之介 著、角川書店刊）を読了しました。この作品は、OVA「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」のサイドストーリーや、未収録エピソードなどを補完する形で描かれており、原作ファンにとってはたまらない一冊と言えるでしょう。特に、アムロ・レイやブライト・ノアといった、本編の主要キャラクターたちが、地球連邦軍とジオン公国軍の激しい戦いが繰り広げられる宇宙世紀0079年の混乱の中に、どのように関わっていたのかが垣間見える点が魅力です。

本編では語られなかった深み

この巻で特に印象的だったのは、シロー・アマダとアイナ・サハリンという、本編の主人公とヒロインを取り巻く人間ドラマの掘り下げです。OVA本編でも描かれた二人の出会いや、敵味方という立場を超えた関係性は、この「＋α」の部分でさらに感情の機微が丁寧に描かれています。例えば、本編では直接描かれなかった、アイナがシローに対して抱く複雑な感情や、シローがアイナに惹かれる理由などが、より具体的に、そして繊細に表現されており、読んでいるこちらも二人の心情に強く引き込まれました。

また、ガンダムEz8の誕生秘話や、その活躍の裏側についても触れられています。本編では、シローが鹵獲したグフのパーツなどを用いてEz8を改修するシーンが印象的ですが、このコミックでは、その過程やEz8に込められたシローの想いがより詳細に描かれています。単なる性能向上というだけでなく、シローの状況や心理状態が、Ez8という機体に反映されている様子が伝わってきて、Ez8というモビルスーツが、シローにとってどれほど大きな存在であったのかを改めて認識させられました。

サイドストーリーの充実度

「＋α」というタイトル通り、本編の合間を縫って展開される様々なサイドストーリーも、この作品の大きな魅力です。テリー・サンダース Jr.やカレン・ジョシュワといった、第08MS小隊のメンバーたちの日常や、彼らが抱える葛藤なども描かれており、キャラクターへの愛着がより一層深まります。特に、カレンの過去や、彼女が抱える秘めたる想いなどが描かれたエピソードは、彼女の強さの裏にある脆さを感じさせ、人間味あふれる一面を垣間見ることができました。

さらに、ジオン軍側の視点からのエピソードも収録されているのが嬉しい点です。ギニアス・サハリンや、ノリス・パッカードといったキャラクターたちの、ジオンという組織の中で生きる苦悩や、彼らが抱える信念などが描かれており、物語に奥行きを与えています。特にノリスのエピソードは、彼の武人としての矜持や、アイナへの想いなどが描かれており、OVA本編での彼の活躍が、より感動的に感じられるようになりました。

飯田馬之介氏の筆致

そして、飯田 馬之介氏の描く絵柄も、この作品の魅力を語る上で欠かせません。力強く、それでいて繊細なタッチは、モビルスーツのメカニカルな描写はもちろんのこと、キャラクターたちの表情や心情も豊かに表現しています。特に、激しい戦闘シーンの描写は圧巻で、読んでいるこちらも手に汗握るような臨場感があります。しかし、それと同時に、キャラクターたちのふとした表情や、感情の機微を捉えた描写も秀逸で、08MS小隊という作品が持つ、戦争の悲惨さの中にも芽生える人間ドラマという側面を、見事に描き出しています。

中古品でしたが、状態も非常に良く、飯田 馬之介氏の描く世界観に浸ることができました。機動戦士ガンダム 第08MS小隊のファンであれば、間違いなく手に取るべき一冊だと断言できます。本編の感動をさらに深めたい方、08MS小隊のキャラクターたちにもっと触れたい方には、強くお勧めしたい作品です。

まとめ

機動戦士ガンダム第08MS小隊U.C.0079＋α 2は、OVA本編では語り尽くせなかった「08MS小隊」の世界観を、見事に補完してくれる作品でした。キャラクターたちの掘り下げ、サイドストーリーの充実度、そして飯田 馬之介氏の卓越した画力によって、読者は再び宇宙世紀0079年の激動の時代へと引き込まれます。本編の感動をより豊かに、そして深く味わいたいファンにとって、このコミックは必読と言えるでしょう。中古品という入手経路も、作品への愛着をさらに深めてくれる要素なのかもしれません。

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