【中古】最高難度迷宮でパーティに置き去りにされたSランク剣士、本当に迷いまくって誰も知ら 1/スクウェア・エニックス/quiet(コミック)

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【中古】最高難度迷宮でパーティに置き去りにされたSランク剣士、本当に迷いまくって誰も知ら 1/スクウェア・エニックス/quiet(コミック)

【中古】最高難度迷宮でパーティに置き去りにされたSランク剣士、本当に迷いまくって誰も知らないスキルを習得して真の最強へ 1/スクウェア・エニックス/quiet(コミック) 感想レビュー

今回レビューするのは、スクウェア・エニックスから刊行されている、quiet氏によるコミック『最高難度迷宮でパーティに置き去りにされたSランク剣士、本当に迷いまくって誰も知らないスキルを習得して真の最強へ 1』です。中古で購入しましたが、作品の持つポテンシャルは新刊と全く変わらず、読後感は非常に心地よいものでした。

王道ファンタジーに一石を投じる設定

物語は、文字通り「最高難度迷宮」でパーティに置き去りにされてしまったSランク剣士、主人公・レオンハルトの過酷な(しかしどこかコミカルな)冒険を描いています。一般的に、Sランク冒険者ともなれば、その強さをもって難なく困難を乗り越えていくイメージですが、本作のレオンハルトは「最高難度」という言葉にふさわしい、想像を絶するほどの迷宮の深層に迷い込み、道を見失ってしまいます。この「強者なのに迷子」というギャップが、まず読者の興味を惹きつけます。

そして、この迷子状態こそが、物語の肝であり、レオンハルトが「誰も知らないスキル」を習得していく鍵となります。パーティに依存せず、己の力だけで迷宮の深淵を探索し、そこでしか得られない知識や経験を積み重ねていく姿は、まさに「異世界転生」や「成り上がり」といったジャンルの王道を行きつつも、そこに「迷子」というユニークな要素を加えることで、新鮮な驚きを提供してくれます。

コミカルさとシリアスの絶妙なバランス

本作の魅力は、そのユーモアセンスにもあります。レオンハルトは、本来であれば冷静沈着なSランク剣士のはずなのですが、迷宮の奥深くで一人、食料や水、そして何よりも「出口」を探し回る姿は、どこか滑稽で愛らしくさえあります。迷宮に生息するモンスターとの戦闘シーンも、単なる力任せのバトルではなく、レオンハルトが「迷子」ならではの視点や、そこで習得したユニークなスキルを駆使して切り抜けていく様子が、読者に笑いと「なるほど!」という感嘆を同時に提供します。時折挿入される、過去のパーティメンバーとの回想シーンとの対比も、レオンハルトの置かれた状況のシリアスさを際立たせ、物語に深みを与えています。

しかし、単なるコメディで終わらないのが本作の巧みさです。迷宮の過酷さ、孤独、そして「生き延びなければならない」という切迫感も、随所に散りばめられています。レオンハルトが食料を求めて奮闘する姿や、精神的に追い詰められそうになりながらも、自身の強さと知識で乗り越えていく描写は、読者の感情を揺さぶります。

個性的なスキルの数々

「誰も知らないスキル」という点も、読者にとって大きな楽しみの一つです。レオンハルトが迷宮で偶然発見したり、モンスターの生態を観察して編み出したりするスキルは、既存のファンタジー作品ではあまり見られない、独創的なものばかりです。例えば、特定の植物から食料を生成するスキルや、迷宮の構造を解析するスキルなど、戦闘だけでなく、サバイバルにも直結するスキルが描かれています。これらのスキルが、どのようにレオンハルトの強さに繋がっていくのか、そしてそれが今後の展開にどう影響するのか、期待が膨らみます。

また、こうしたスキルは、レオンハルトが「迷子」であったからこそ、そしてパーティから離れていたからこそ、習得できたものです。もしパーティと一緒であれば、おそらく普通の冒険者として、ごく普通のスキルしか得られなかったでしょう。この「置き去りにされた」という状況が、皮肉にもレオンハルトを真の最強へと導くための、必要不可欠な要素であったことが示唆されています。

作画と世界観の融合

quiet氏の作画も、本作の魅力を一層引き立てています。レオンハルトの力強くもどこか頼りない表情、迷宮の神秘的でありながらも危険な雰囲気、そして個性豊かなモンスターたちのデザインは、どれも洗練されており、作品の世界観を鮮やかに描き出しています。特に、迷宮の奥深くへと続く道や、そこに生息する未知の生物たちの描写は、読者の想像力を掻き立て、まるで自身もその迷宮に迷い込んだかのような没入感を与えてくれます。

コマ割りや構図も巧みで、緊迫感のある戦闘シーンや、レオンハルトの孤独感を表現するシーンなど、場面に合わせて効果的に使われています。セリフ回しも軽快で、シリアスな場面でも空気を読んだユーモアが織り交ぜられているため、読者を飽きさせません。

まとめ

『最高難度迷宮でパーティに置き去りにされたSランク剣士、本当に迷いまくって誰も知らないスキルを習得して真の最強へ 1』は、定番のファンタジー設定に、ユニークな「迷子」という要素と、秀逸なユーモア、そして独創的なスキルを組み合わせることで、読者を飽きさせない魅力的な作品となっています。主人公のレオンハルトが、絶望的な状況からどのように這い上がり、真の最強へと成長していくのか。その過程が、コミカルかつシリアスに描かれており、次巻以降への期待を大いに抱かせる、完成度の高い第1巻でした。中古で手に入れましたが、その満足度は新品以上と言っても過言ではありません。

上の文章は個人的な感想です。下記サイトで正確な情報をお確かめください

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