CartoonAnimator G3 キャラクター作成: PSD からのインポート手順
CartoonAnimator 4 (CA) は、2D キャラクターアニメーション作成に強力なツールです。特に、Adobe Photoshop (PSD) ファイルから G3 キャラクターをインポートする機能は、既存のイラスト資産をアニメーション化する上で非常に便利です。この文書では、PSD ファイルを CA の G3 キャラクターとしてインポートする手順を、詳細に解説します。
1. PSD ファイルの準備
G3 キャラクターを CA にインポートするには、PSD ファイルの構造が重要です。以下の点を考慮して、PSD ファイルを準備してください。
1.1. レイヤー構造
CA は、PSD ファイルのレイヤー構造をキャラクターのボーン構造にマッピングします。各キャラクターパーツ(頭、胴体、腕、脚など)は、個別のレイヤーまたはグループとして整理されている必要があります。
- パーツの命名規則: 各レイヤーまたはグループには、CA が認識できる明確な名前を付けることが推奨されます。例えば、「Head」、「Torso」、「Left_Arm」、「Right_Leg」などです。CA は、これらの名前を基に、デフォルトのボーン構造を自動的に割り当てようとします。
- 階層構造: 各パーツは、親子関係を考慮して階層的に配置します。例えば、腕は胴体に、指は腕にぶら下がるように、グループ化します。これにより、インポート後のボーン構造が自然になります。
- ピボットポイント: 各パーツの回転中心(ピボットポイント)は、レイヤーの配置によって決まります。CA は、レイヤーの中心をピボットポイントとして認識しますが、より正確な制御のためには、 「アートボード」 機能や、 「スマートオブジェクト」 を活用して、パーツの原点を意図した位置に設定することが有効です。
1.2. 画像の形式
各レイヤーの画像は、 透明度 (アルファチャンネル) をサポートしている必要があります。PNG 形式でエクスポートされることを想定し、PNG に適した形式で保存してください。PSD ファイル自体には、 レイヤー効果 (シャドウ、光彩など) は適用しない ことを推奨します。これらの効果は、CA で再適用する方が、より柔軟なアニメーション制御が可能です。
1.3. 解像度とサイズ
アニメーションの最終的な出力サイズを考慮して、適切な解像度で PSD ファイルを作成します。高解像度すぎるとファイルサイズが大きくなり、CA の動作が重くなる可能性があります。逆に、低解像度すぎると、アニメーションの品質が低下します。
2. CartoonAnimator へのインポート手順
PSD ファイルの準備ができたら、CA にインポートします。
2.1. 新規プロジェクトの作成
CA を起動し、 「File」 > 「New Project」 から新規プロジェクトを作成します。
2.2. PSD ファイルのインポート
「File」 > 「Import」 > 「PSD File」 を選択します。
ファイル選択ダイアログが表示されるので、準備した PSD ファイルを選択し、 「開く」 をクリックします。
2.3. レイヤーマッピングの確認と調整
PSD ファイルがインポートされると、 「PSD Importer」 ウィンドウが表示されます。このウィンドウでは、PSD のレイヤー構造が CA の G3 キャラクターのボーン構造にどのようにマッピングされているかを確認できます。
- 自動マッピング: CA は、レイヤー名に基づいて、自動的にボーンを割り当てようとします。例えば、「Head」という名前のレイヤーは、 「Head」ボーン に割り当てられます。
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手動マッピング: 自動マッピングがうまくいかない場合や、意図したボーン構造と異なる場合は、手動でマッピングを調整します。
- 「Bone」タブ: このタブで、PSD の各レイヤーを CA のどのボーンに割り当てるかを選択できます。
- 「Pivot」タブ: 各パーツの ピボットポイント を調整します。グリッド線や数値入力で、正確な位置を設定できます。
- 「Attachment」タブ: 顔のパーツ(目、口、眉など)を、 「Head」ボーン にアタッチメントとして登録します。これにより、顔の表情アニメーションが容易になります。
- 「Pose Presets」: インポート前に、キャラクターのデフォルトポーズ(例:Tポーズ、Aポーズ)を PSD ファイル内で設定しておくと、インポート後のボーン構造の確認がしやすくなります。
2.4. キャラクターの保存
レイヤーマッピングとピボットポイントの調整が完了したら、 「OK」 ボタンをクリックしてインポートを完了します。
インポートされたキャラクターは、CA の 「Content Manager」 の 「Custom」 セクションに表示されます。これを保存するために、 「File」 > 「Save As」 を選択し、 「Actor」 として保存します。
3. G3 キャラクターとしての活用
インポートされ、保存された G3 キャラクターは、CA の様々な機能を使ってアニメーション化できます。
3.1. ボーン編集
「Composer」 モードに切り替えることで、キャラクターのボーン構造をさらに編集できます。ボーンの追加、削除、位置調整などを行い、より複雑な動きや、特定のポーズに対応できるようにします。
3.2. 顔アニメーション
PSD ファイルで 「Attachment」 として登録した顔のパーツ(目、口、眉など)は、 「Face」 ウィンドウで管理できます。 「Face」 ウィンドウで、 「Expression Editor」 を使用して、様々な表情を作成・登録できます。
3.3. 衣装・アクセサリーの追加
G3 キャラクターは、 「Actor」 として、衣装やアクセサリーなどのパーツを後から追加・変更できます。これにより、同じキャラクターのバリエーションを容易に作成できます。
3.4. アニメーション作成
「Timeline」 ウィンドウで、キーフレームを設定し、キャラクターの動きを作成します。 「Motion Library」 のプリセットモーションを利用したり、 「Motion Layer」 を使って、より詳細な動きをブレンドしたりすることも可能です。
まとめ
PSD ファイルからの G3 キャラクター作成は、適切な PSD ファイルの準備と、CA での丁寧なレイヤーマッピングが成功の鍵となります。この手順を理解し、実践することで、イラストレーターやデザイナーが作成したキャラクターを、効率的にアニメーション化することが可能になります。CA の強力な G3 キャラクターシステムを活用し、魅力的なアニメーション作品を制作してください。

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