【中古】ドラゴンクエストダイの大冒険 23 新装彩録版/集英社/稲田浩司(コミック)

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【中古】ドラゴンクエストダイの大冒険 23 新装彩録版/集英社/稲田浩司(コミック)

【中古】ドラゴンクエストダイの大冒険 23 新装彩録版/集英社/稲田浩司(コミック) 感想レビュー

壮絶なる戦いの、更なる深淵へ

『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』新装彩録版、第23巻。この巻は、読者の心を揺さぶる数々の激闘と、キャラクターたちの人間ドラマが濃密に描かれた、まさにクライマックスへの序章と言えるでしょう。中古品ではありますが、その価値は新品に劣ることはありません。ページをめくるたびに、あの感動が蘇り、新たな発見さえあります。

アバン流殺法、その極致

前巻からの流れを受け、ポップとヒュンケルの連携が、この巻の大きな見どころの一つです。かつては相容れなかった二人が、共通の敵であるバランに対し、互いを信じ、アバン流殺法という共通の技を駆使して立ち向かう姿は、胸を熱くさせます。特に、ポップがアバン先生の教えを血肉とするかのように、その技を己のものとし、ヒュンケルのアバンストラッシュと呼応するかのような一撃を繰り出すシーンは、鳥肌が立つほどの迫力です。

ポップの成長、そして決意

ポップの成長は、この作品の最大の魅力と言っても過言ではありません。当初は臆病で、頼りなかった彼が、数々の試練を乗り越え、仲間を守るために命を懸けて戦う姿は、読者に勇気を与えます。この巻でも、彼は恐怖を乗り越え、仲間のために、そして世界の平和のために、己の全てを捧げる覚悟を示します。その成長の軌跡は、単なる冒険物語の枠を超え、人生の教訓としても響くものがあります。

ヒュンケルの苦悩と葛藤

一方、ヒュンケルもまた、深い苦悩を抱えながら戦っています。かつて魔王軍の一員であった過去、そしてダイたちとの出会いによって魂を取り戻した彼が、バランという宿命の敵と対峙する様は、非常にドラマチックです。彼の鎧の魔剣と破邪の剣、二つの力を巡る葛藤は、読者の心を惹きつけずにはいられません。己の正義と、過去の過ちの間で揺れ動く彼の姿は、人間らしさを際立たせています。

バランの圧倒的な強さと、その背景

そして、この巻における最大の強敵、バラン。彼の「竜(ドラゴン)の騎士」としての圧倒的な力は、読者を恐怖に陥れると同時に、その悲しい過去が垣間見えることで、単なる悪役ではない、複雑なキャラクターとして描かれています。人間への憎しみ、そして息子であるダイへの想い。その相反する感情がぶつかり合う様は、物語に深みを与えています。彼の「竜王の剣」が放つ破壊力は、まさに絶望そのものですが、それでも立ち向かうダイたちに、読者は希望を見出します。

苛烈を極める戦闘描写

稲田浩司先生の戦闘描写は、この巻でも健在です。キャラクターたちの汗、血、そして傷までもが躍動感あふれる筆致で描かれており、読者はまるでその場にいるかのような臨場感を味わえます。技の応酬、必殺技のぶつかり合い、そして仲間を守ろうとする懸命な姿。それら全てが、紙面から溢れ出してくるようです。特に、「アバンストラッシュ」や「竜神(りゅうじん)の武具」による攻撃シーンは、圧巻の一言です。

新装彩録版ならではの魅力

新装彩録版の大きな魅力は、なんといってもカラーページの存在です。この巻でも、キャラクターたちの鮮やかな衣装や、迫力満点の技がカラーで描かれており、物語への没入感を一層高めてくれます。中古品でも、これらの美麗なカラーイラストを堪能できるのは、大きな喜びです。また、紙質も良好で、手触りも心地よいです。

まとめ

『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』新装彩録版 23巻は、キャラクターたちの成長、激しい戦い、そして深い人間ドラマが見事に融合した、傑作と言えるでしょう。ポップの勇気、ヒュンケルの葛藤、そしてバランの悲劇。これらの要素が複雑に絡み合い、読者の感情を揺さぶります。中古品であっても、その感動と興奮は色褪せることはありません。ダイの大冒険ファンはもちろん、熱い物語を求めている全ての人にお勧めできる一冊です。この巻を読むことで、次巻への期待が一層高まることは間違いありません。

上の文章は個人的な感想です。下記サイトで正確な情報をお確かめください

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