【中古】 ねこぢるyうどん 2 / ねこぢるy / 青林堂 [コミック]【宅配便出荷】

【中古】 ねこぢるyうどん 2 / ねこぢるy / 青林堂 [コミック]【宅配便出荷】 感想レビュー

独特の世界観に再び引き込まれる

　古本屋の片隅で、あるいはネットオークションのリストで、ふと目に留まる「ねこぢるy」。その独特の絵柄と、どこかシュールで、それでいて温かい（？）世界観に、一度足を踏み入れた者はなかなか抜け出せない。今回手にしたのは、その「ねこぢるyうどん」シリーズの第2巻。前巻に引き続き、ねこぢるyさんが描く、あの摩訶不思議な日常に再び身を委ねることができた。

　この作品の魅力は何と言っても、その「ねこぢるy」というキャラクターだろう。自由奔放で、時に理不尽で、しかしどこか憎めない。彼女（彼？）の言動は、我々が普段生きている常識や論理からすれば、あまりにも突飛で理解不能なものばかりだ。しかし、そこがたまらない。まるで子供の無垢な目線で世界を見ているかのような、素直で純粋な（？）行動原理が、読者の心を掴んで離さないのだ。今回の巻でも、彼女の予測不能な行動が、読者を爆笑の渦に巻き込んだり、あるいは思わず「それでいいのか？」とツッコミを入れたりする場面が満載だった。

日常に潜む非日常、そして哲学

　「ねこぢるyうどん」は、単なるギャグ漫画ではない。その奇妙でナンセンスな展開の中に、ふと、我々が普段見過ごしてしまいがちな日常の風景や、人生に対するゆるやかな問いかけが潜んでいるように感じられる。例えば、ねこぢるyが繰り広げる奇想天外な出来事は、我々が「当たり前」だと思っている現実がいかに脆く、そしていかに多様な解釈が可能であるかを示唆しているかのようだ。彼女の行動原理は、時に残酷であったり、無責任であったりする。しかし、その裏には、人間が抱える虚無感や、生きる意味への探求といった、普遍的なテーマが隠されているようにも思える。

　特に印象的だったのは、あるエピソードでねこぢるyが発する言葉だ。それは、一見すると意味不明な言葉の羅列でありながら、なぜか心に深く響くものがあった。それは、言葉の表面的な意味を超えた、作者の深い洞察から生まれるものなのだろう。この作品に触れるたびに、自分自身の価値観や、世界の見方について、改めて考えさせられる。それは、難しい言葉で語られる哲学書を読むのとはまた違った、もっと感覚的で、直感的な、ある種の「気づき」である。

絵柄の魅力と、時代を超えた普遍性

　ねこぢるyさんの絵柄も、この作品の大きな魅力の一つだ。白黒のシンプルな線で描かれるキャラクターたちは、一見すると粗削りに見えるかもしれない。しかし、その独特のタッチには、力強さと同時に、なんとも言えない愛らしさが宿っている。特に、ねこぢるyや、彼女を取り巻くキャラクターたちの表情は、言葉以上に多くを語りかけてくる。あの、どこか虚ろでありながらも、確かな意思を感じさせる瞳。あの、少し不機嫌そうな、それでいてどこか寂しそうな口元。それらが、読者の想像力を掻き立て、キャラクターに命を吹き込んでいる。

　この「ねこぢるyうどん」が、発表された当時から今に至るまで、多くの読者に愛され続けているのには、やはり理由があるのだろう。それは、時代や流行に左右されない、普遍的な人間の感情や、生きることへの衝動を描いているからではないだろうか。この漫画を読むと、なんだか肩の力が抜けて、ちょっとだけ楽になれる。それは、ねこぢるyというキャラクターが、我々が抱える悩みや苦しみを、ある意味では超越した存在であるからかもしれない。あるいは、彼女のあまりにも奔放な生き様が、我々自身の内に秘めた解放への願望を刺激するからなのかもしれない。

中古品としての価値

　今回購入したのは中古品だったが、状態は非常に良かった。経年による多少のヤケはあるものの、読む上で全く問題はなく、むしろ、長年愛されてきた「証」のように思えて、それもまた趣がある。青林堂から出版されているという点も、この作品の持つ独特な雰囲気をより一層際立たせているように感じる。古書ならではの、手にした時の温かみや、ページをめくる時の紙の感触も、デジタルでは味わえない魅力だ。

まとめ

　「ねこぢるyうどん 2」は、ねこぢるyワールドの魅力にどっぷりと浸れる一冊だった。独特の世界観、予測不能な展開、そしてゆるやかな哲学。すべてが相まって、読者を飽きさせない。この漫画を読むと、日常が少しだけ色鮮やかに、そして面白く見えるようになる。ねこぢるyの、あの自由で、どこか羨ましくなるような生き様を、これからも追いかけていきたいと思う。

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