【中古】 味いちもんめ 8 / あべ 善太, 倉田 よしみ / 小学館 [文庫]【ネコポス発送】

【中古】味いちもんめ 8 / あべ 善太, 倉田 よしみ / 小学館 [文庫]【ネコポス発送】 感想レビュー

「味いちもんめ」8巻、食と人情の粋を堪能！

今回レビューするのは、あべ善太先生、倉田よしみ先生による名作漫画「味いちもんめ」の第8巻です。古本屋で手にしたこの文庫版は、ネコポス発送という手軽さも相まって、気軽に名作に触れられるのが嬉しいポイントでした。

### 貫禄の8巻、深化する人間ドラマ

「味いちもんめ」シリーズは、主人公・伊橋直久が厨房という舞台で、料理の腕前はもちろんのこと、人間的な成長を遂げていく姿を描いた作品です。8巻になっても、その勢いは衰えるどころか、より一層深みを増しています。

#### 登場人物たちの葛藤と成長

この巻で特に印象的だったのは、伊橋はもちろん、板前の見習いたちや、店を支える人々それぞれの葛藤が丁寧に描かれている点です。若い見習いたちは、自分の未熟さを痛感し、時には挫折しそうになりながらも、伊橋や親方の厳しくも温かい指導のもと、一歩ずつ成長していきます。彼らのひたむきな姿は、読んでいるこちらまで応援したくなる気持ちにさせられます。

特に、ある見習いが抱える過去のトラウマが、料理を通じて克服されていくエピソードは感動的でした。食が持つ癒しの力、そして人と人との繋がりが、いかに人の心を救うことができるのかを改めて実感させられます。

#### 職人気質と現代社会の対比

また、伝統的な和食の世界で生きる職人たちの、譲れないこだわりや矜持が、現代社会の価値観とぶつかり合う様子も描かれています。変化を良しとしない頑固さ、しかしそれは決して時代遅れではなく、確固たる信念に裏打ちされたものであることが、数々のエピソードを通して伝わってきます。

伊橋は、そんな伝統を守りつつも、新しい風を取り入れようとする柔軟性も持ち合わせています。彼は、古き良きものを大切にしながらも、時代に合わせて変化していくことの重要性を理解しているのです。このバランス感覚が、彼を一流の料理人へと成長させる原動力となっているのでしょう。

### 食欲を刺激する描写の数々

「味いちもんめ」の最大の魅力の一つは、やはりその料理描写のリアルさです。8巻でも、旬の食材を活かした繊細な料理や、力強い一品料理が次々と登場します。

#### 五感を刺激する調理シーン

料理が作られていく過程が、まるで目の前で繰り広げられているかのように detailed に描かれています。包丁の音、食材が焼ける音、出汁の香り…。文字を追っているだけで、五感が刺激され、自然と食欲を掻き立てられます。

特に、ある魚料理のエピソードでは、その捌き方から調理法、そして盛り付けに至るまで、一切の妥協を許さない職人の技が光っていました。素材の旨味を最大限に引き出すための、緻密な計算と熟練の技に舌を巻きました。

#### 料理に込められた想い

単に美味しい料理を描くだけでなく、その料理に込められた作り手の想いや、食べる人への心遣いが伝わってくるのが、この作品の奥深さです。伊橋が作る料理には、常に「人を幸せにしたい」という純粋な気持ちが宿っています。

ある時、料亭の板前として、特別な客人をもてなす場面がありました。その客人が抱える複雑な事情を察し、伊橋がその心情に寄り添った料理を作り上げるシーンは、胸を打つものがありました。食は、単なる栄養補給ではなく、コミュニケーションの手段であり、感情を伝える手段でもあるのだと、改めて感じさせられます。

### ネコポス発送の利便性

中古品ということもあり、状態が心配でしたが、ネコポス発送のおかげで、丁寧な梱包で届きました。折れや傷もなく、大変綺麗な状態で読むことができました。手軽に名作に触れたい読者にとっては、非常にありがたいサービスだと感じました。

### まとめ

「味いちもんめ」8巻は、食の探求、人間ドラマ、そして職人の矜持が絶妙に interwoven された、まさに傑作と呼ぶにふさわしい一冊でした。登場人物たちの成長、職人たちの情熱、そして何よりも、食を通じて生まれる温かい人間模様に、今回も心を奪われました。

料理漫画としてのエンターテイメント性はもちろんのこと、人生の機微や人間関係の奥深さをも教えてくれる「味いちもんめ」。まだ読んだことのない方には、ぜひ手に取っていただきたい作品です。8巻で描かれる伊橋たちの活躍は、きっとあなたの心にも、温かい「味」を残してくれるはずです。

上の文章は個人的な感想です。下記サイトで正確な情報をお確かめください