【中古】看護のための教育学 「知る」から「分かる」への教育 /メヂカルフレンド社/鈴木正幸(単行本)

マンガ

【中古】看護のための教育学 「知る」から「分かる」への教育 /メヂカルフレンド社/鈴木正幸(単行本)

【中古】看護のための教育学 「知る」から「分かる」への教育 /メヂカルフレンド社/鈴木正幸(単行本) 感想レビュー

本書との出会い、そして期待

私がこの本に巡り合ったのは、看護教育に携わる中で、学生の学習意欲の低迷や、知識の定着の難しさに悩んでいた時期でした。教科書を読むだけではなかなか「分かる」レベルに到達しない学生たちを見て、「どうすればもっと効果的な教育ができるのだろうか?」という強い疑問を抱いていました。

そんな時、偶然書店で本書のタイトルを目にしたのです。「知る」から「分かる」へ、という言葉に強く惹かれました。単に知識を詰め込むだけでなく、それを理解し、応用できるレベルまで引き上げるための教育学的なアプローチが書かれているのではないかと期待しました。中古品ではありましたが、その期待感から購入を決意しました。

「知る」と「分かる」の明確な区別と教育への示唆

本書を読み進めるにつれて、まず感銘を受けたのは、「知る」と「分かる」という二つの学習段階を非常に明確に区別し、それぞれの段階で必要な教育的介入について論じている点でした。多くの教育場面では、この二つが混同されがちですが、本書では、看護学生が単に事実を「知っている」状態から、その意味を理解し、状況に応じて「分かる」状態へと移行するためのプロセスを丁寧に解説しています。

特に、「知る」は表層的な理解に留まり、記憶や再生が中心であるのに対し、「分かる」は意味づけ、関係づけ、応用といったより深いレベルの認知活動を伴うという説明は、まさに私が抱えていた課題の核心を突いていると感じました。

具体的な教育方法論の提示

本書の魅力は、単に理論を説くだけでなく、具体的な教育方法論を豊富に提示している点にあります。例えば、 PBL(問題解決型学習)やケーススタディ、ロールプレイングといったアクティブラーニングの手法が、どのように「分かる」学習を促進するのか、そのメカニズムが詳細に説明されています。さらに、講義形式であっても、学生の能動的な参加を促すための工夫や、多様な学習スタイルに対応するための配慮についても言及されており、すぐにでも実践に取り入れたくなるようなヒントが満載でした。

また、学習者の内発的動機づけを高めるためのアプローチや、フィードバックの重要性についても触れられており、教育者としての力量を高める上で非常に参考になりました。

看護教育における教育学の重要性

本書を通じて、看護教育が単なる技術や知識の伝達に留まらず、複雑な臨床現場で的確な判断を下し、患者に寄り添える看護師を育成するための、高度な教育学に基づいた実践が不可欠であることを改めて認識させられました。

看護師は、生命に関わる非常に責任の重い職業です。そのため、表面的な知識だけでなく、病態生理の根拠を理解し、個々の患者さんの状況に合わせて最適なケアを選択できる「分かる」能力が不可欠です。本書は、そのような看護師を育成するための教育的基盤を、教育学の視点からしっかりと提供してくれる一冊だと感じました。

対象読者へのメッセージ

本書は、看護師養成学校の教員はもちろんのこと、新人看護師の指導を担当する先輩看護師、さらには看護教育に関心のあるすべての方々に読んでもらいたい一冊です。「なぜ学生が学ばないのか」「どうすればもっと効果的に教えられるのか」といった悩みを抱えている方にとって、本書はきっと羅針盤のような存在となるはずです。

中古品でも十分にその価値はありますが、可能であれば新品で手に入れ、じっくりと読み込み、実践に活かすことをお勧めします。私自身、本書で得た知識や考え方を、日々の教育活動に積極的に取り入れています。その結果、学生たちの学習への姿勢に変化が見られ、以前よりも深い理解を示すようになってきたことを実感しています。

まとめ

【中古】看護のための教育学 「知る」から「分かる」への教育 /メヂカルフレンド社/鈴木正幸(単行本)は、看護教育に携わる者にとって、教育の本質を理解し、より効果的な指導法を模索するための貴重な一冊です。理論と実践を結びつける分かりやすい解説と、豊富な具体例は、読者の教育者としての成長を強力に後押ししてくれるでしょう。看護学生の学びを深め、質の高い看護師を育成したいと願うすべての方に、自信を持って推薦できる書籍です。

上の文章は個人的な感想です。下記サイトで正確な情報をお確かめください

コメント