【3980円以上送料無料】来世ではちゃんとします 3/いつまちゃん/著

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【3980円以上送料無料】来世ではちゃんとします 3/いつまちゃん/著

【3980円以上送料無料】来世ではちゃんとします 3/いつまちゃん/著 感想レビュー

「来世ではちゃんとします」シリーズの第3巻。今回も登場人物たちの「めんどくさい」が詰まった、共感と爆笑の連続でした。前巻からの伏線が回収され、新たな関係性が芽生えるなど、物語はさらに深みを増していきます。いつまちゃんの描くキャラクターたちは、どこか現実味を帯びていて、読んでいるこちらまで「あるある」と頷いてしまうことばかり。彼らの言動に一喜一憂しながら、あっという間に読み終えてしまいました。

キャラクターたちの深化と新たな関係性

今巻で特に光っていたのは、主要キャラクターたちの更なる深掘りです。桃江の「彼氏が欲しい」という切実な願いと、それに対する彼女なりのアプローチが、よりリアルに、そして切なく描かれています。彼女の行動原理には、常に「愛されたい」という願いがあるのですが、それが時に空回りしてしまう様は、見ていて応援したくなる一方、ドキッとする場面も。一見クールでドライに見える松林も、実は内に秘めた熱い思いや脆さがあり、そのギャップが魅力的です。彼と桃江の関係性がどうなっていくのか、読者の期待を大いに掻き立てます。

また、環や梢といった、これまでサブキャラクターとして描かれてきた面々にもスポットが当たり、彼女たちの抱える悩みや葛藤が丁寧に描かれています。特に環の「彼氏がいないこと」への焦りや、それに伴う自己肯定感の揺らぎは、多くの女性が共感できる部分でしょう。梢の周りでは、新たな出会いが訪れ、物語の展開に更なる刺激を与えています。それぞれのキャラクターが、自分自身の「幸せ」を模索していく姿は、読者にも勇気を与えてくれます。

桃江と松林の関係性の行方

桃江と松林の関係は、今巻でも大きな見どころです。桃江は相変わらず「彼氏が欲しい」という目標に向かって突っ走りますが、その過程で松林との距離が縮まったり、離れたり…。松林の独特なアプローチや、桃江へのさりげない気遣いが、読者の心をくすぐります。二人の間には、言葉にならない感情が飛び交い、その微妙な心の動きが手に取るように伝わってきます。お互いを意識しているのに、なかなか素直になれない二人の姿は、もどかしくも愛おしいです。この関係性が今後どう進展していくのか、目が離せません。

「めんどくさい」のリアルと共感

この作品の最大の魅力は、登場人物たちの「めんどくさい」部分を、一切隠さずに描いている点だと思います。恋愛における駆け引き、友人関係での些細なすれ違い、仕事や将来への不安…。どれもこれも、私たちの日常に潜む「あるある」の連続です。桃江が「男友達」と「彼氏」の境界線に悩んだり、松林が自分の気持ちをどう伝えていいか分からずに戸惑ったりする姿は、読んでいるこちらまで「そうなんだよ!」「わかる!」と声に出してしまいそうになります。このリアルさが、キャラクターたちへの深い共感を生み、物語に没入させてくれるのです。

特に、SNSでのやり取りや、現代の恋愛における「わかりにくさ」が巧みに描かれているのも、この作品の秀逸な点です。言葉の裏に隠された本音、相手の真意を探ろうとする駆け引き…。こうした現代的な人間関係の機微が、いつまちゃんのペンによって、ユーモアたっぷりに、そして時に鋭く描き出されています。読者は、登場人物たちの「めんどくさい」に共感しながらも、彼らがそれを乗り越えようとする健気な姿に、勇気をもらえるのです。

SNS時代の恋愛観

SNSが普及した現代において、人との繋がり方や恋愛観も変化しています。本作では、そういった現代的な恋愛の側面もリアルに描かれています。SNSでの「いいね」やコメントの数に一喜一憂したり、相手の投稿から相手の状況を推測したり…。こうした現代ならではの「恋愛あるある」が、物語の随所に散りばめられています。桃江が、松林のSNSをチェックしては一喜一憂する様子は、多くの読者が共感できるのではないでしょうか。また、オンラインでの出会いや、リモートでのコミュニケーションが恋愛にどう影響するのか、といった現代的なテーマも、さりげなく描かれています。

ユーモアと切なさの絶妙なバランス

「来世ではちゃんとします」シリーズは、常にユーモアと切なさの絶妙なバランスが魅力です。今回も、読者を笑わせるシーンと、胸を締め付けるような切ないシーンが交互に現れ、感情のジェットコースターに乗っているような感覚を味わえます。桃江の天然で愛らしい言動に思わず吹き出してしまいそうになったかと思えば、彼女の抱える孤独や不安に胸を痛めたり。キャラクターたちの言動の端々に散りばめられたユーモアが、シリアスな場面でさえも、作品全体のトーンを重くなりすぎず、読後感を心地よいものにしてくれています。

また、作品全体を通して流れる「人間らしさ」が、読者の心に響きます。完璧ではない、欠点だらけのキャラクターたちが、それでも懸命に幸せを掴もうとする姿は、私たち自身の人生にも通じるものがあるのではないでしょうか。彼らが時に過ちを犯し、傷つきながらも、前に進んでいく姿に、私たちは勇気をもらい、明日への活力を得ることができます。この作品を読むと、なんだか自分も「ちゃんと」生きていこう、と思えるのです。

次巻への期待

第3巻を読み終え、次巻への期待がますます高まりました。桃江と松林の関係は、一体どうなってしまうのか。環や梢の恋の行方は? そして、新たなキャラクターの登場はあるのか? 様々な伏線が張り巡らされ、今後の展開から目が離せません。いつまちゃんの描く、リアルで愛おしい人間ドラマの続きを、心待ちにしています。

【まとめ】

「来世ではちゃんとします 3」は、前巻からの物語を引き継ぎつつ、キャラクターたちの心情や関係性がさらに深く描かれた、見応えのある一冊でした。いつまちゃんの描く「めんどくさい」人間模様は、読者の共感を呼び、笑いと涙、そして感動を与えてくれます。現代の恋愛観や人間関係の機微を巧みに捉え、ユーモアと切なさを絶妙なバランスで描き出した本作は、多くの読者に愛される理由がよくわかる作品です。次巻もまた、彼らの「ちゃんとする」ための奮闘を応援したい気持ちでいっぱいになります。

上の文章は個人的な感想です。下記サイトで正確な情報をお確かめください

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