【中古】 聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話 全25巻完結セット (少年チャンピオン・コミックス) 感想レビュー
壮大なスケールで描かれる、もう一つの冥王神話
『聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話』、全25巻を読了しました。中古品でしたが、幸いにも保存状態の良いセットを入手でき、心ゆくまでこの壮大な物語に浸ることができました。本作は、車田正美先生の『聖闘士星矢』本編の前日譚にあたる物語ですが、そのスケール感、ドラマ性、そしてキャラクターの魅力は、本編に匹敵する、いや、それ以上に心を揺さぶられるものがありました。
新たな主人公たちの熱き戦い
本作の主人公は、本編の主人公である星矢たちとは異なる、新しい聖闘士たちです。天馬星座のテンマ、アテナの生まれ変わりであるサーシャ、そしてテンマの親友でありながら冥王ハーデスとなるアンドロメダ座の độc .。この3人を中心に物語は展開していきます。彼らが織りなす友情、葛藤、そして宿命に立ち向かう姿は、読者の感情を強く引きつけます。特に、テンマと độc .の友情と、それが避けられない宿命によって引き裂かれていく様は、物語の核となる悲劇であり、胸が締め付けられる思いでした。
個性豊かな黄金聖闘士たちの魅力を再発見
『聖闘士星矢』シリーズの醍醐味といえば、やはり個性豊かな黄金聖闘士たちです。本作では、本編よりもさらに前の時代が舞台となっているため、お馴染みの黄金聖闘士たちが、まだ若く、あるいはまた別の顔を見せてくれます。白羊座のシオンや牡牛座のイスパダ、双子座のサガやカノンなども登場しますが、彼らがまだ未熟であったり、あるいは現在とは異なる立場にいたりする姿は、ファンにとっては非常に興味深いものです。そして、本作で新たに登場する黄金聖闘士たちも、それぞれが強烈な個性とドラマを抱えており、物語に厚みを与えています。特に、蟹座のデストロイや水瓶座のカナンの登場シーンは、鳥肌が立つほどの感動を覚えました。彼らの過去や、アテナへの忠誠、そして仲間への想いが丁寧に描かれており、本編では語られなかった彼らの魅力に改めて気づかされました。
圧倒的な画力と迫力あるバトルシーン
手代木史織先生の画力は、本作の魅力を語る上で欠かせません。キャラクターデザインは、本編のイメージを踏襲しつつも、より洗練され、繊細なタッチで描かれています。特に、女性キャラクターの美しさや、少年たちの瑞々しさは特筆すべきでしょう。そして、バトルシーンの迫力は凄まじいです。聖衣の輝き、コスモのぶつかり合い、技の応酬が、ダイナミックな構図とスピード感あふれる描写で表現されており、ページをめくる手が止まりませんでした。必殺技が繰り出される瞬間のエフェクトや、キャラクターの表情の描写も秀逸で、まるでアニメを見ているかのような臨場感を味わうことができます。
重厚なストーリーと感動の結末
本作は、単なるバトル漫画にとどまりません。愛、友情、犠牲、そして生と死といった普遍的なテーマが深く掘り下げられています。冥王軍との激しい戦いの中で、聖闘士たちは自らの命を顧みず、アテナと人類を守るために戦います。その姿は、読者に深い感動を与え、生きることの意味を改めて考えさせられます。特に、テンマと độc .、サーシャの3人が織りなす三角関係のようなドラマは、切なくも美しいです。彼らの選択や、それに伴う苦悩が克明に描かれており、物語に深みを与えています。
まとめ
『聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話』は、本編ファンはもちろんのこと、聖闘士星矢シリーズを初めて読む方にも自信を持っておすすめできる作品です。重厚なストーリー、魅力的なキャラクター、そして圧倒的な画力と迫力あるバトルシーン。これら全てが融合し、読者の心を鷲掴みにする傑作です。全25巻というボリュームですが、一度読み始めれば、その世界観に引き込まれ、あっという間に読み終えてしまうことでしょう。中古品でしたが、この素晴らしい物語に出会えたことに感謝しています。星矢ファンならば、必読の作品と言えるでしょう。
上の文章は個人的な感想です。下記サイトで正確な情報をお確かめください


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